@ 出会い

僕の相棒「トラ」には、姉格の「三毛」が居ます。一年半前、飼い主に置き去りにされてから、縁あって姉妹仲良く僕の家で生活していましたが、一ヶ月前のことです、毎朝ガラス越しにお互いに、三人仲良く挨拶していたのですが、ある日、姉格の「三毛」が突然、姿を消していたのです。心配したママが近所を探しました。いたのです。近所の家の、玄関脇に立派な小屋が用意され、小屋の中は暖かそうな布団がひかれ、「三毛」は、すやすやと、いびきをかいて寝ていたそうです。

無断で引っ越した僕の相棒「三毛」のその後の消息をお話しいたします。多分引っ越し先で美味しいご馳走を毎日頂いている筈です。その理由は、これからお話をしていく中に答えが出てきます。そうそう、お話の続きとして、妹格「トラ」との別れ際、「三毛」の思いもお話して置かなければなりません。このお話は僕の家族には伝えてありませんので、くれぐれも内密にお願いします。「三毛」は「トラ」に吐露したそうです。長い間、姉妹として、仲良く励ましあって生活してきたが心無い飼い主に捨てられて、その後、僕の家の軒先に下宿したものの、姉妹ともども世話になるのを気が引けて、自分だけでも身を引こうとしたそうです。世話になった僕の家族の事を考えると、そんなに遠くへはいかずに、近所で受け入れてくれる人を探してみようと思ったそうです。「三毛」の過去に詮索しない近所の若奥さんの家を終の住処としようと決めたそうです。勿論、妹格の「トラ」の事が気がかりで、毎日、僕の家に訪ねてくることを約束しているそうです。約束通り毎日横目でチラッと僕たちを見ながら、僕の家の庭を横切っていきます。遠慮がちな姿勢が僕の心を惑わせます。どうして人間は身勝手なんだ、「三毛」の気持ちにもなってみろ。偉そうなに僕は吠えたくなるのです・・・・・・・・・・陽だまりの僕の家のベランダに、時折、柿木をつたわって寝そべっている事を僕は知っています。少しでも僕らの傍に居たいんだってことを・・・